転職活動において、給与アップは意識するポイントのひとつです。
給与アップを目指す場合や、企業が示した給与に不満を感じるなら給与交渉は可能です。しかし、交渉についての進め方や方法がわからない方も多いと思います。
「そもそも企業とお金の交渉をするのはアリ?」「印象が悪くなるんじゃないか」といった不安を持つかもしれません。
この記事では転職時に交渉をするにあたって、適切なタイミングと押さえるポイント、交渉時の注意点をまとめました。これを読めば、自分のこれまでのキャリアに見合った給与の獲得を実現できるでしょう。
キャリアアップも叶えたいと考えている方はこちらの記事も読みましょう。
転職で給与交渉するタイミングは内定後〜承諾までの間
給与交渉を切り出すタイミングは、内定後から内定承諾までの間がベストです。ただし、企業は採用する際に給与額も含めて検討しているので、面接中に給与について話すこともあります。
どちらのタイミングでもしっかり答えられるように、準備をするのが安心です。もし、面接時に聞く際、一次面接から給与交渉をするのはやめておきましょう。
なぜなら、採用担当者は「お金のことしか考えていないのか?」と思ってしまう可能性が高いからです。
面接時に企業側から希望金額を聞かれる場合があるので、その際には自分の希望金額をはっきり伝えて構いません。ただし、提示する金額が給与水準から離れていると企業研究が不足していると思われ、不採用になることもあります。
いつでも給与交渉できるように、給与交渉で押さえるポイントや注意点を確認して準備を進めましょう。
転職で給与交渉する準備で押さえるポイント3つ
転職で給与交渉をするときには、企業や業界の相場を把握しておく必要があります。また、なぜその給与額を提示したのか理由を伝えられるようにしておきましょう。
そこで、企業と交渉する準備として押さえるポイントを3つにまとめました。
転職先の企業の業種・職種の相場を調べる
働く業種・職種によって給与額の相場は違います。転職先の業種・職種の相場を確認しておきましょう。
相場よりも大幅に高い金額で交渉すると企業に対して失礼である上、企業の研究不足と思われてしまい不採用の可能性が高くなります。逆に、希望年収を大幅に低くしたり「金額はいくらでもいいです」と企業に返答したりすると、自分の価値を下げてしまいます。
業種・職種の相場を確認しておくと、入社時の年収だけではなく、将来的にどの程度の年収が見込めるかのイメージが掴めるので今後のためにも調べておきましょう。
求人情報で転職先の平均給与・年収を確認する
転職先の求人情報を確認して平均給与や年収例などを参考に、希望金額を設定しましょう。企業が設定している金額を調べて、それに近い希望金額にすると、企業も採用や交渉に対して前向きに検討してくれる材料になります。
求人情報に企業が設定している給与額の目安が記載されていることが多いので、企業研究の際に合わせて確認しておきましょう。
自分のスキル・経験の棚卸しをして根拠を持たせる
自己分析を行って自分のスキル・経験を改めて振り返り、自分の強みを明確にしましょう。スキル・経験の棚卸しを行っておくと、企業との給与交渉時に説得力のある理由付けができるので、こちらが希望した金額になる可能性が高くなります。
もし、人並み以上のスキルがあれば強気に交渉するのもアリです。自分の強みが明確になっていると、給与交渉はもちろん、面接時も自信を持って臨めるので準備しておきましょう。
転職の給与交渉で後悔しない!注意点3つ
転職時の給与交渉には、注意するポイントがいくつかあります。伝え方によっては採用担当者からの印象が悪くなることもあるため、注意しましょう。
交渉するときの注意点を3つあげましたので、それぞれ解説します。
希望金額の理由をはっきりさせて相手に伝える
給与交渉時に希望金額を伝える際、なぜこの金額を希望するのか、その根拠を企業に説明する必要があります。具体性ある根拠を説明できないと、給与交渉ではなく、給与を上げてほしいというお願いになり受け入れてもらえません。
例えば、「同じ業種・職種に務めていたので経験を活かせる」「売上に貢献した実績があるので業績に貢献できる」など、即戦力になって活躍・貢献できるから検討してほしい旨を企業に具体性を持って提案すると、相手が納得感を得られます。
一方的に希望金額を提示しない
交渉時は金額だけにこだわらず、企業に歩み寄る姿勢や努力する姿勢が大事です。企業は自社の給与体系や、他の社員の給与額などを総合的にみて給与を決めます。そのため、企業の事情を考えずに、こちらの希望を一方的に伝えてしまうと企業から悪い印象を受けかねません。
給与を上げることを絶対条件に交渉しない場合は、希望金額を伝えるより最低ラインの金額で企業に交渉するのも視野に入れておきましょう。例えば、現在の年収と同等の金額で企業に検討してもらったり、募集要項にある年収の例などを確認して企業の規定に合わせた年収を伝えたりすると、企業からの印象を損ねずに交渉できるでしょう。
また、強気の交渉に成功して高い給与で入社しても、必ずしも良い結果になるとは限りません。企業は大きな期待感を持って採用するので、責任感やプレッシャーが高くなります。
期待に応えられなかった場合、社員からの信頼が下がるかもしれません。逆に、未経験の採用や経験の浅い職種の採用でも、最初こそ給与が低いかもしれませんが、成長していけば給与アップにつながる可能性があります。
長期的な視点で考えてインセンティブなどの交渉をするのもアリです。
企業に対して正直に現在の年収を伝える
前職の給与額は、企業側が給与を決める判断材料になります。偽って多く給与額を伝えるのは絶対にやめましょう。現在の年収は源泉徴収票を見たらすぐに確認できます。また、外資系企業となると前職の経歴、働きぶりを確認するケースもあります。
もし、給与額を偽っていることがわかれば、希望通りにいかないいどころか企業からの信頼を大きく失います。正直に自分の年収を伝えて、自分の強みを企業にアピールしましょう。
転職で給与交渉するときの例文・切り出し方
転職で希望金額を伝える際には、切り出し方に注意して自分のスキル・経験を伝え、納得してもらう必要があります。
ここでは、交渉するための切り出し方・伝え方のポイント、実際に交渉する際の例文をまとめました。
給与交渉の切り出し方
給与について切り出すときは、初めに「御社の給与体系を求人情報で拝見しましたが、確認のためあらためて教えていただけませんでしょうか」と給与体系全体の質問から切り出して交渉を進めていきます。そこから具体的な話に繋げていきましょう。
伝えるときには話し方にも注意します。強気な話し方や、逆に自信なさげな話し方をすると、自分の市場価値やコミュニケーション能力を疑われ、評価を下げることになりかねません。
給与交渉の例文
内定後の場合
前向きに入社を検討させていただいておりますが、年収に関して相談させていただきたいです。
年収400万円とのことですが、こちらに関してもう一度ご検討いただくことは可能でしょうか。
現職の○○の知識や経験は、御社の□□部門の業務に十分貢献可能と存じます。
現在、年収が450万円のため、可能であれば転職後も現職の年収と同等の金額で検討いただけると幸いです。
面接中に希望金額を聞かれた場合
現在、年収は350万円ですが、可能であれば、10%ほど現職の年収から上げていただきたいです。
理由としては、前職で○○を生かして業績に貢献した経験があり、お伺いした業務にも十分貢献できると自負しています。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
まとめ
転職時に給与交渉をすることは問題ありません。
ただし、給与交渉を成功させるには、給与について切り出すタイミング、業界や企業の給与額の相場のチェック、自分のスキル・経験の棚卸しなど交渉前に準備する必要があります。
また、交渉時の注意点を押さえておけば、企業の印象を悪くすることなく交渉できるでしょう。
転職の給与交渉を成功させるには、しっかり準備をして、根拠のある希望金額を企業に示す必要があります。
企業に自信を持って自分の強みを伝えて、企業もあなたも納得のいく転職を目指しましょう。
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